社会不適合者のうつと障害年金 厚生年金期間中の受診が重要

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社会不適合者は精神科か心療内科を受診しよう

はじめに -自分が社会不適合者だと感じる方 心を病んでいませんか?-

「社会に適応できない」「職場がつらくて働き続けられない」——そう感じる方の中には、心に強いストレスを抱え、うつ状態になっている方も少なくありません。
 うつ病などの精神疾患が悪化すると、働くことが難しくなり、収入を失うリスクも高まります。
 そんなとき、経済的な支えとなるのが「障害年金」です。

 しかし、障害年金を受給するためには、いくつかの要件を満たす必要があり、その中でも働けなくなった原因となる病気で医者に掛かった「初診日」が重要なポイントになります。
 本記事では、厚生年金加入中に心療内科や精神科を受診することの重要性について解説します。


障害年金とは?

 障害害年金とは、病気やケガで日常生活や仕事が困難になった際に支給される公的年金です。
 精神疾患(うつ病(または気分障害うつ状態)、双極性障害、統合失調症など)も対象となり、以下の2種類があります。

  1. 障害基礎年金:国民年金の加入者が対象
  2. 障害厚生年金:厚生年金の加入者が対象(基礎年金に上乗せ支給)

 特に厚生年金に加入している間に病気を発症・診断されると、障害厚生年金の対象となり、より手厚い支給を受けることができます。

金額の違い

  • 障害基礎年金(1級:月額約9万円、2級:約月額7万円 ※目安)
  • 障害厚生年金(基礎年金に加え、報酬比例部分が上乗せされるため、年収に応じて増額)

 例えば、年収400万円程度の方が厚生年金に加入していた場合、障害厚生年金の2級で月額10万円~15万円程度になることが多いです。
 そのため、厚生年金加入中の受診が、将来の経済的支援につながる可能性が高いのです。

障害年金の申請や受給への影響が出る 似ているが別の病気 うつ病とうつ状態(気分障害うつ状態)の違い

「うつ病」と「うつ状態(気分障害うつ状態)」は似たような言葉ですが、医学的には異なる意味を持っています。
 障害年金の審査でも、「うつ病」と「うつ状態(気分障害うつ状態)」では認定されやすさに差が出るので、それぞれの違いについて詳しく解説します。


1. うつ病とは?

定義

 うつ病(大うつ病性障害, Major Depressive Disorder)は、精神疾患のひとつで、気分の落ち込みが長期間続き、日常生活に支障をきたす病気です。
 単なる気分の落ち込みとは異なり、脳内の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)の異常が関与していると考えられています。

主な症状
  • 強い抑うつ気分(悲しみや絶望感)
  • 興味や喜びの喪失
  • 疲労感や無気力
  • 集中力や思考力の低下
  • 食欲の変化(食欲不振または過食)
  • 睡眠障害(不眠または過眠)
  • 自責感や無価値感
  • 自殺願望
診断

「DSM-5(精神疾患の診断基準)」では、2週間以上にわたり、これらの症状のうち5つ以上が続く場合、うつ病と診断される可能性があります。

治療法
  • 薬物療法(抗うつ薬:SSRI、SNRI、三環系抗うつ薬など)
  • 認知行動療法(CBT) などの心理療法
  • 生活習慣の改善(運動・食事・睡眠)
  • 休養と環境調整

2. うつ状態(気分障害うつ状態)とは?

定義

「うつ状態」は一時的に抑うつ症状が現れる状態を指しますが、必ずしも「うつ病」とは限りません。
 気分障害の一症状として現れることがあり、ストレスや環境要因が原因となることも多いです。

うつ状態を引き起こす原因
  • 適応障害(強いストレスによる一時的なうつ状態)
  • 双極性障害(躁うつ病のうつ状態)
  • 季節性うつ(冬季うつ病)
  • 薬の副作用身体疾患(甲状腺機能低下症など)によるうつ状態
  • 喪失体験(身近な人の死、失業、離婚など)

うつ病と気分障害うつ状態の違い

うつ病うつ状態
病気の分類精神疾患の一つ症状として現れる状態
持続期間2週間以上一時的(数日~数週間)
原因明確でないことが多い(脳内の神経伝達物質の異常など)ストレス、環境要因、他の病気の一部
治療抗うつ薬や心理療法が必要ストレス軽減や休養で改善することも多い

障害年金の申請や受給への影響

 障害年金の審査では、単なる「うつ状態」だけでは認定されにくい傾向があります。
 なぜなら、うつ状態は「一時的なもの」と判断されることが多く、継続的な障害とはみなされにくいためです。
 一方で、「うつ病」と正式に診断され、長期にわたって治療を受けても症状が改善せず、日常生活や労働が困難であると認められた場合は、障害年金の受給が可能になることがあります。

 そのため、受診時に「うつ状態」と診断されている場合でも、症状が長引き、仕事や生活に支障をきたしている場合は、継続的に医師の診察を受けることが重要です。
 主治医と相談しながら適切な診断名をつけてもらい、必要に応じて障害年金の申請を視野に入れることをおすすめします。

 また、診断書の記載内容によって障害年金の認定可否が大きく左右されるため、医師に「障害年金の申請を考えている」と伝えた上で、診断書を作成してもらうことが重要です。


3. まとめ

  • うつ病は「病気」であり、長期間続く重い症状が特徴で、専門的な治療が必要。
  • うつ状態は「一時的な症状」であり、環境の変化やストレスの影響によって起こることが多い。

 もし「気分が落ち込むことが増えた」と感じても、それが「うつ病」なのか「うつ状態」なのかを見極めることが大切です。
 自己判断せず、症状が続く場合は早めに医師や専門家に相談しましょう。
 なお、うつ病や気分障害うつ状態で働けなくなった場合には、どちらも障害年金の受給対象となります。
 ただし、精神障害での受給の場合、何年かおきの更新制度があり、気分障害での受給は、うつ病よりも更新の間隔が短くなる事が多いです。

障害年金の更新期間は病状によって異なる?

 気分障害で障害年金を受給した場合、基本的に2年ごとに更新が必要になります。
 私のように発達障害が原因の気分障害や、統合失調症など短期間での寛解が見込めない病状の場合は、更新期間が5年に延長されることがあります。私の知人も統合失調症で5年更新になっています。

受給には「初診日」が重要

 障害年金の申請では、「初診日(病気やケガで最初に医療機関を受診した日)」が極めて重要な要素となります。
 この初診日が、どの年金制度(厚生年金または国民年金)の適用期間内にあったかによって、受給できる障害年金の種類や金額が決まるからです。


初診日とは?

 初診日とは、その病気や障害に関して、初めて医師の診察を受けた日のことを指します。
 例えば、会社員時代に強いストレスを感じ、うつ症状が出始めたとします。
 このとき、厚生年金に加入している期間中に心療内科や精神科を受診していれば、その日が「初診日」となります。


初診日が厚生年金加入期間中なら有利

 初診日が厚生年金の加入期間中であれば、障害厚生年金を受給できる可能性が高まります。
 障害厚生年金は、障害基礎年金よりも支給額が高く、報酬比例部分が加算されるため、生活の安定につながります。

 逆に、会社を退職して厚生年金から国民年金へ切り替わった後に初めて受診した場合は、障害基礎年金のみの支給となります。
 障害基礎年金は定額支給のため、支給額が少なくなってしまいます。


初診日を証明するために必要なもの

 初診日を証明するには、以下の書類が必要となります。

  • 受診状況等証明書:初診の医療機関で発行してもらう
  • 診療録(カルテ):初診日の記録が残っている場合に有効
  • 健康診断の記録:会社の健康診断で異常を指摘された場合の記録
  • お薬手帳・領収書:初診日に処方された薬の履歴があると証明に役立つ

 これらの証明ができないと、初診日が認められず、障害年金の申請が難しくなることもあります。
 そのため、受診の際は診療記録や領収書などをしっかり保管しておくことをおすすめします。


退職前に心療内科・精神科を受診すべき理由

 心の病が原因で働けなくなった多くの人が「仕事を辞めて落ち着いてから病院に行こう」と考えがちですが、これには大きなリスクがあります。
 退職後に初めて受診した場合、国民年金のみの対象となり、障害厚生年金を受給できる可能性がなくなるからです。

 そのため、職場でのストレスやうつの症状を感じたら、できるだけ早く厚生年金の加入期間中に心療内科や精神科を受診することが重要です。
 早めの受診によって、治療の機会を得るとともに、将来の障害年金受給の選択肢も広がります。


障害年金の申請方法

 障害年金の申請は以下の流れで行います。

  1. 年金事務所または市区町村役場で相談
    • まず、最寄りの年金事務所や市区町村の年金相談窓口で、障害年金の申請資格について確認しましょう。
  2. 必要書類の準備
    • 診断書(指定の書式に医師が記入)
    • 受診状況等証明書(初診の病院で発行)
    • 病歴・就労状況等申立書(自分で記入)
    • 戸籍謄本や住民票の写し(本人確認用)
    • 年金手帳や基礎年金番号通知書
  3. 申請書類の提出
    • 書類を揃えたら、年金事務所または役所に提出します。
    • 申請は郵送でも可能ですが、窓口で相談しながら行うのがおすすめです。
  4. 審査結果の通知(約3~6ヶ月)
    • 提出後、審査が行われ、約3〜6ヶ月で結果が通知されます。
  5. 受給開始
    • 申請が認められると、毎月年金が支給されます。
    • 受給が決まると、遡及(さかのぼり)請求で過去分を受け取れる場合もあります。

精神科や心療内科の受診をためらう方へ

「病院に行くのはハードルが高い」「本当に受診すべきなのか迷っている」と感じる方も多いかもしれません。しかし、以下のような状態が続いている場合は、早めに受診することをおすすめします。

  • 仕事に行くのがつらく、欠勤や遅刻が増えている
  • 何をしても楽しいと感じられず、気分が落ち込む日が続いている
  • 眠れない、食欲がない、集中力が極端に低下している
  • 強い不安を感じ、日常生活や人との関わりが負担に感じる

 こうした症状が続くと、仕事や生活に大きな影響を及ぼし、最終的には退職を余儀なくされることもあります。
 特に、退職後に初めて受診すると「国民年金のみ」の適用になり、障害厚生年金の対象外となってしまうため、現役のうちに受診することが重要です。

 また、受診することで診断が確定し、適切な治療を受けられるだけでなく、将来的に障害年金を申請する際の「初診日」が確定するというメリットもあります。

「もう少し様子を見よう」と思っているうちに状態が悪化し、働けなくなってしまうケースも少なくありません。
 少しでもつらいと感じたら、早めに医療機関を受診し、適切なサポートを受けることが、あなたの将来の生活を守ることにつながります。


まとめ

 社会に適応しづらく、うつ状態が続く場合、働き続けることが難しくなることもあります。
 そうしたときに障害年金を受給できるかどうかで、今後の生活が大きく変わります。

 特に、厚生年金に加入している間に心療内科・精神科を受診することで、障害厚生年金の対象となる可能性が高まります。
 心身の調子が悪いと感じたら、早めに医療機関を受診し、適切な対応を取ることをおすすめします。

将来の生活のためにも、ぜひ「今」の行動を大切にしてください。

体験談 社会不適合者の著者が障害年金を申請した時の話

 これより先は、この記事の著者が障害年金を申請したときの出来事です。

フルタイム就労は辛く、ストレスが溜まるが、若い頃はお金が欲しくて頑張って働いたこともあった

 私がまだ二十代の頃の話です。
 ある工場で2ヶ月間の短期バイトの募集がありました。
 ちょうど前の仕事を辞めたばかりだった私は、とりあえずの収入が欲しくて応募し、採用されました。

 残業が2時間ほどある拘束時間の長い仕事でしたが、「2ヶ月だけならなんとかなるだろう」と精神的に辛いのを我慢して働きました。

 しかし、2ヶ月が経過した頃、工場長から正社員の誘いを受けました。
「今、収入を失うのはもったいない」と考えた私は、その話を受けることにしました。

フルタイム就労が嫌で仕方なかったが、我慢して働いていたところ、急性胃痙攣で倒れ、病院に運ばれた

 正社員になってしばらく経った頃のことです。
 その日も残業が2時間ありました。

(ああ嫌だ。帰りたい)と思いながら仕事をしていると、突然、胃に激痛が走りました。
 全身から冷や汗が噴き出し、立っていられず、その場に座り込んでしまいました。

 周囲の人から見ても私の様子は尋常ではなかったようで、会社の人が車で近くの内科へ連れて行ってくれました。

 医師が超音波エコーで検査をしましたが、原因は不明でした。
 しかし、神経や筋肉の緊張を和らげる薬の注射を打たれたところ、痛みは嘘のように引きました。

 結果として、診断は「ストレスによる神経性の急性胃痙攣」と「自律神経失調症」でした。

その後、仕事を辞めて精神科を受診する

 急性胃痙攣で病院に運ばれた後、「もうストレスを溜めるのは懲り懲りだ」と思い、私は働かなくなりました。

 他の人が残業をしていても、自分だけ定時で帰る。
 休日出勤は断る。
 忙しい時を狙って有給を使って休む。

 やる気はなかったけれど、給料をもらうためだけに何とか仕事に通っていました。
 すると、会社から退職勧奨を受けました。

「退職金をこれだけ出すから、頼むから辞めてくれ」とお願いされました。
 退職勧奨の場合、会社都合の退職となり、失業保険をすぐに受け取れます。
 その頃は精神的にもかなり病んでいたので、深く考えずに退職しました。

 その後は、失業保険の受給期間が終わるまで職業訓練などを受けながら過ごし、受給期間終了後は短時間のパートタイムで何とか生活費を稼いでいました。

 しかし、職場での人付き合いの煩わしさや、低収入による生活苦で精神的にも限界を迎え、ついに心療内科を受診しました。

障害年金を申請する 厚生年金未加入で心療内科初診。しかし、精神疾患の初診日は胃痙攣で内科を受診した時だった

 詳細は省きますが、心療内科を受診後、就労が困難になったため、障害年金を申請することになりました。

 しかし、ここで問題が発生しました。
 私の心療内科の初診日が「精神疾患発症の初診日」となってしまうと、厚生年金未加入の時期になってしまいます。

 そこで、急性胃痙攣で内科を受診した時の診察を「精神疾患の初診日」として扱えないかと考え、当時診てもらった内科の医師に相談しました。

 すると、医師は「本当のことなので大丈夫」と快く診断書を書いてくれました。
 そのおかげで、無事に障害基礎年金と障害厚生年金を受給することができました。

 以上、「初診日は重要」という話でした。

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