躁状態でやらかした双極性感情障害を抱える社会不適合者の失敗談

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社会不適合者の戯言

 この記事を書いている社会不適合者は、気分障害を抱えており、うつ状態が多いものの、時折躁状態になることもあります。
 今回は、自らの体験を交えながら、双極性感情障害の躁状態時に潜む洒落にならない危険性について語りたいと思います。

双極性感情障害のうつ状態はまだしも、躁状態はかなり危険

 私の場合、うつ状態のときは無気力になり、何もやる気が起こりません。「何のために生きているのか」「生きることに疲れたな」などと考え、寝込んで過眠状態になることもあります。

 現在は勤め人ではありませんが、フルタイムの工員として働いていた頃は、仕事をしているうちにどんどん気分が落ち込み、うつ状態に陥ることがありました。
 私はストレスを感じるとすぐに胃腸にダメージがくるタイプで、お腹の調子が悪くなるのが常でした。子供の頃、腹が下り医者にかかった際に過敏性腸症候群(IBS)と診断されました。
 当時の医師は「過敏性大腸炎」という病名を使っていましたが、現在ではIBSの方が一般的な呼称のようです。

 ここまでであれば、典型的な気分障害のうつ状態ですが、私の場合、時折躁状態になることもあります。
 躁状態になると無駄に活動的になり、目が冴えて眠れなくなったり、「あれをしよう、これを試してみよう」と新しいことを次々に始めたりします。
 さらに、発作的に買い物をして散財するなど、色々とやらかしてしまうことが多いです。

 そして、躁状態が終わると、まるで電池が切れたように一気に疲れが吹き出し、丸一日寝込んでしまうこともあります。
 また、躁状態のときの行動を振り返り、激しく落ち込むことも少なくありません。
 特に無駄な買い物で散財すると、精神的なダメージだけでなく経済的なダメージも受けるため、後になって困ることになります。

 では、前置きはこのくらいにして、私が躁状態の時にやらかした大失敗談をどうぞ。

生涯で最大の失敗、見え透いた詐欺に引っ掛かる

 それは2008年頃の話です。
 当時の私は、在宅で少しでも稼げないかと考え、ポイントサイトで小銭稼ぎをしていました。
 その中には、「資料請求後にセールス電話を受けるだけで1000円」という案件がいくつかありました。

 何とも胡散臭い話ですが、この時の私は躁状態で無駄に活動的になっており、どうにか外に出ずに金を稼ぐ方法を見つけようと必死でした。
 そもそもポイント獲得の条件は「資料請求」と「電話対応」だけだったため、「大したことにはならないだろう」と軽く考え、複数の案件に申し込みました。

 届いた資料の多くは、カラーコピーで作られた安っぽい投資勧誘のパンフレットで、「こんなのに引っかかる人間なんているのか?」と思うほどお粗末なものでした。
 しかし、その中に「ドロップシッピング用のECサイト作成と宣伝広告をサポートし、格安な商材を提供します」というものがありました。

 正直、WEBサイトの作成はどうでもよかったのですが、ネットオークションで販売できる商材を安く仕入れられる点に魅力を感じました。


躁状態だと用心深さを失う

 「詐欺っぽいな」とは感じましたが、
「初期費用はかかるけど、その分商材が安く手に入るなら、家に引きこもったまま生活できるかも?」
 と、妙にハイなテンションで考えてしまいました。

 それでも、まだ理性が少し残っていたので、念のため国民生活センターに問い合わせて、この業者へのクレームがないか確認しようとしました。
 しかし、電話が混み合っていてまったく繋がらなかったのです。

 長時間繋がらない電話にイライラしてしまい……
 今振り返ると、自分でも「なんて馬鹿なことをしたんだ」と思いますが、これが躁状態の怖いところ。

「もう確認しなくていいか!」
 と勢いだけで判断し、なけなしの貯金から初期費用50万円を払い、一番安いコースで契約してしまいました。

 ご存じの方も多いと思いますが、私が契約したのは、2008年頃から被害者が増えていたドロップシッピング詐欺業者だったのです。(詳細は下の囲みにて)
 

詐欺の手口

 当時のドロップシッピング詐欺は、主に以下のような手法で行われました。

  • 虚偽の販売サポートを謳う勧誘
    「在庫を持たずに商品を販売できるサイトの開設、広告宣伝のサポート、格安での商材提供、発送の代行を行います」と業者がネット広告やパンフレットで参入者を募集。
  • 契約者に誤解を与える仕組み
    「契約者はサイト経由で入った注文や問い合わせに対応するだけでOK」「商品の販売価格から卸値を引いた差額が利益になる」と説明。
  • 高額な初期費用を徴収
    50万~300万円の初期費用を支払うと、チープな販売サイトが作成されるが、それだけで終わり。広告宣伝などの販売サポートは一切行われない。
  • 「格安での商材提供」は嘘
    実際には、市場価格よりも高い「卸値」で商品を提供。契約者のサイトの商品はほとんど売れず、業者はサイト制作費で利益を得る仕組み。
  • 発送トラブルと契約者への責任転嫁
    稀に契約者のサイトで売買契約が成立しても、業者が商品を発送せず、販売者(契約者)が責任を負わされ、顧客とのトラブルに発展するケースが多発。

社会的影響と規制

 2008年頃から多くの被害者が発生し、消費者庁や国民生活センターにも多数の相談が寄せられました。

  • 特に、ドロップシッピングサイトの作成費用として高額な料金を請求する業者への訴訟が増え、詐欺的ビジネスとして社会問題化。
  • その結果、消費者庁が「誇大広告」の取り締まりを強化し、悪質な業者の一部は廃業に追い込まれました。
  • 最終的には、ドロップシッピング関連の詐欺容疑で逮捕される業者も出ました。

本来のドロップシッピングとの違い

 現在でもドロップシッピングは合法的なビジネスモデルとして存在していますが、当時のような詐欺的手法とは大きく異なります。

  • 信頼できるプラットフォームの登場
    ShopifyやBASEなどのプラットフォームが普及し、個人でも健全なドロップシッピング事業を展開できるようになった。
  • 情報商材詐欺への警戒が必要
    しかし、今でも「簡単に稼げる」と甘い言葉で誘う詐欺的な情報商材が存在するため、注意が必要です。

結論

 2008年頃のドロップシッピング詐欺は、「楽に儲かる」という幻想を利用した情報商材ビジネスの一種であり、多くの人が騙されました。現在でも類似の手法が使われることがあるため、安易な儲け話には十分警戒する必要があります。


弁護士に依頼して詐欺業者に返金させるも、弁護士費用分を損する

 作成されたWEBサイトが納品されると、
「お値打ちな卸値の商品」なんてどこにもないことが発覚しました。

 具体的に言うと、価格.comの最安値より1割ほど高いのが「卸値」でした。
 ネットオークションで販売すれば赤字確定。
 そもそも、そんな価格で売るくらいなら、大手サイトで買ったほうが安いので、誰も買いません。

 この時ようやく 「これは詐欺だったんだ……」 と確信しました。

 しかし、まだ躁状態が続いていたので、行動力だけは有り余っており、すぐに弁護士に依頼しました。
 弁護士が業者に内容証明郵便を送り、返金を求めましたが、相手はすぐには応じませんでした。
 そこで、簡易裁判所に少額訴訟を申し立てたところ、裁判の段階で相手が折れ、最終的に和解となり返金されました。

 ただ、弁護士費用として10万円ほどかかってしまい、その分は完全に損をしました。
 とはいえ、50万円を丸々失うよりはマシだったとも言えます。


躁状態の時の判断ミスは本当に怖い

 私は躁状態のとき、さまざまな失敗をしていますが、これは間違いなく一番大きな失敗でした。

 躁状態に入ると、普段なら「怪しい」と思う話でも、なぜか「これはチャンスかもしれない」と前向きに捉えてしまいます。
 慎重さが消え、冷静な判断力が失われ、気づけばリスクを考えずに突っ走ってしまう。

 もし、この時の私が正常な精神状態だったら、「在宅で稼げるなんてうまい話はそうそうない」「こんな怪しい業者に大金を払うなんてありえない」と即座にストップをかけていたでしょう。
 しかし、躁状態の時は違います。「いける!」という謎の自信に満ち溢れ、ブレーキを踏むどころかアクセルを全開にしてしまうのです。

 この特性が厄介なのは、「自分ではおかしいと気づけない」ことです。
 冷静になった後で初めて、「なぜこんな無謀なことを?」と愕然とする。
 でも、気づいた時にはすでに遅く、大金を失い、取り返しのつかない状況に陥ってしまうこともあるのです。

 躁状態のときは、「いまの自分は冷静に判断できているのか?」 を疑う習慣を持つべきです。
・ 大きなお金を動かす決断をしそうになったら、必ず一度立ち止まる
・ 信頼できる家族や友人に相談し、客観的な意見を聞く
・ すぐに契約や購入を決めず、「明日もう一度考えよう」と猶予を作る

 これらを徹底するだけでも、リスクを大幅に減らせるはずです。

 私はこの失敗で50万円を失いかけ、裁判まで経験する羽目になりました。
 しかし、これがもっと大きな額だったら? もっと悪質な詐欺だったら?

 取り返しのつかない損失を抱え、一生後悔することになっていたかもしれません。

 躁状態の時は、自分の判断を100%信用してはいけない。
 この経験が、誰かの防波堤になることを願います。

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