「雇われたくない」「人と関わりたくない」…そんなあなたに、書籍転売という選択肢
勤め人は本当に辛い
「職場の空気に耐えられない」「上司の顔色を伺うのがしんどい」「時間で縛られる働き方は、もう無理」
――そんな風に感じたことがある人にとって、“普通の仕事”は地獄のようなものかもしれません。
いわゆる「社会不適合者」と言われるタイプの人間には、組織やチームプレイが前提の働き方は、とにかく向いていない。
それはもう性質の問題であって、努力や根性でどうにかなるものではないのです。
「それでも、何かしらで稼がなきゃ生きていけない」と悩んでいるなら――書籍転売という選択肢があります。
これは、業務請負やパートのように“誰かから仕事を与えられる”働き方ではなく、完全な個人事業。
自分の頭と足とパソコン(もしくはスマホ)だけで成り立ち、始めるのに特別なスキルも人脈も必要ありません。
決まったシフトも、煩わしい会議も、気を使う相手もいない。
頑張れば頑張った分だけ稼げるし、やらなければ収入はゼロ。
だけど、それを自分で選べる――極めてシンプルで、自由な働き方です。
人と関わらずに生きていきたい。組織に属さずに稼ぎたい。
そんなあなたにとって、この働き方は意外と“最後の砦”になるかもしれません。
基本の仕組みは安く買って高く売る
書籍転売は、安く手に入れた本を、Amazonマーケットプレイスやヤフオクなどで高く販売し、その差額で利益を得るという非常にわかりやすいビジネスモデルです。
中でも初心者におすすめなのが、実店舗(特にブックオフなど)の特売コーナーから、転売価値のある書籍を見つけてくる方法です。
例えば、一冊200円で買った本がAmazon上で1200円で売れれば、送料や手数料を差し引いても1000円近い利益が出ることもあります。
実際に15年続けていた副収入の柱
私自身は障害年金を受給していますが、それだけではとても暮らしていけませんので、この書籍転売をコロナ禍でやめるまで、15年以上続けていました。多い時には一冊で1万円の利益が出たこともあります。
コツコツと仕入れを続け、週に100冊、月に400冊というペースで在庫を増やしていけば、
最低でも月100冊くらいは売れるようになります。
仮に一冊あたりの利益が500円だとすれば、月5万円の収入になります。
在庫が増えれば売れる商品も増えるので、自然と月の販売数も増えていきます。
1年も続ければ、3000冊規模のネット書店のような在庫が揃い、月収10万円に届くことも珍しくありません。
誰にも縛られない働き方
この仕事の良いところは、誰にも雇用されず、完全に自分の裁量で動ける点です。
作業内容はいたってシンプルです。
- ブックオフなどで転売価値のある本を探して購入
- Amazonマーケットプレイスに出品
- 買い手がついたら、クリックポスト等で発送
…たったこれだけです。
日中ずっとブックオフにいても苦にならない人であれば、わりと短期間で月20万円程度の収入も可能になります。
分業すれば効率もアップ
私の知り合いのご夫婦は、旦那さんが仕入れ担当、奥さんが出品と発送担当という分担制で転売を行っており、生活に困らない程度の収入をしっかり確保できているようでした。
私自身は外出が苦手で、週に10時間程度しか仕入れには出かけていませんでしたが、長年蓄積した在庫のおかげで、それでも月に5〜10万円程度の収入は得ることができていました。
書籍転売の始め方
書籍転売の始め方
書籍転売は、初期費用がほとんどかからず、やり方もシンプル。
特別なスキルや設備がなくても、今すぐ始められる副業の一つです。
ここでは、仕入れ方法から販売方法まで、基本的な流れを解説します。
1. 仕入れ:まずはブックオフへ行ってみよう
仕入れの基本は、ブックオフなどの大型古書店の特価品コーナーを巡ることです。
200円コーナーなどから、Amazonで高く売れそうな書籍を1冊ずつ探していきます。
価格の調べ方:ISBNコードでAmazon検索
「この本、転売できそうか?」を判断するには、ネットに繋がるスマホやタブレットがあればOK。
書籍の裏にある10桁または13桁のISBNコード、またはJANコードをAmazonの検索窓に打ち込み、中古の出品価格を確認しましょう。
💡 ISBNコードは「978」から始まる13桁の番号で、バーコード付近に記載されています。
- 100円で売ってるのにAmazonでは800円〜で売られている
- 出品が少ないのにレビュー数が多い(=需要が高い)
こうした本は、仕入れ候補になります。
また、すでに廃版になっている書籍などは希少性が高く、定価よりも高い価格で売れることもあります。
仕入れを重ねるうちに、「これは高く売れそうだな」という感覚が自然と身についてきます。
💡 中古価格だけでなく、「Amazonの在庫切れかどうか」も見ておくと、プレミア化の判断材料になります。
2. 販売:Amazonマーケットプレイスに出品する
書籍転売において、販売先はAmazon一択と言ってもいいくらいです。
ユーザー数が圧倒的に多く、信頼も厚いので売れやすく、管理もしやすいのが理由です。
まずは、Amazonの出品者アカウントを作成しましょう。
出品者アカウントの「無料」と「有料」の違い
Amazonには2種類の出品プランがあります。
プラン | 月額費用 | 販売手数料 | 向いている人 |
---|---|---|---|
小口出品(無料) | 0円 | 商品1点ごとに100円+成約手数料 | とりあえず試してみたい人 |
大口出品(有料) | 月額4,900円(税込) | 成約手数料のみ(100円かからない) | 本気で継続して転売する人 |
本気で書籍転売を副業・収入源としてやっていきたいなら、大口出品プラン一択です。
月に50冊以上売れば手数料の差だけで元が取れますし、
「一括出品」「在庫管理ツール」など、便利な機能もすべて使えるようになります。
書籍をAmazonに出品する方法
書籍の仕入れが済んだら、次はAmazonへの出品作業です。
1. 商品ページを見つける
Amazonのセラーセントラルにログインし、「商品登録」から出品したい書籍のISBNコードを入力すると、その本の商品ページが表示されます。該当ページが表示されたら、「この商品を出品する」ボタンをクリック。
2. 商品コンディションを選択
書籍の状態(新品・非常に良い・良い・可・可(書き込みあり)など)を正しく選びます。中古本はコンディションが売れ行きに影響しますので、誠実な記載を心がけましょう。
3. 販売価格を設定
他の出品者の価格を参考にしつつ、自分の利益が取れる金額を設定します。最安値よりも少し高くても、コンディションが良ければ売れることもあります。
4. 在庫数と配送方法を選択
書籍の出品時には、「在庫数」と「配送方法」を設定します。
在庫数は基本的に「1冊単位」でOK。仕入れた本の数だけ登録しましょう。
配送方法については、個人転売の場合は 「自己発送」 が基本です。
Amazonには「FBA(フルフィルメント by Amazon)」という発送代行サービスもありますが、初心者のうちは自己発送から始めるのがおすすめです。
FBAは便利な一方で、
- 保管料や手数料がかかる
- 購入者が理不尽な理由で返品してもAmazonが受け取ってしまう
- トラブル時に個人では対応しづらいケースもある
といったデメリットもあります。
私自身の経験から言っても、FBAは初心者にはややリスクが高く、自己発送のほうが安心です。
慣れてきて在庫数が増え、発送の手間を減らしたいと感じたタイミングでFBAを検討するのが良いでしょう。
書籍の梱包・発送方法
商品が売れたら、購入者に本を発送します。
1. 梱包資材を用意する
書籍を発送するには、最低限以下の梱包資材を揃えましょう。
・A4サイズの封筒(角形2号)
・緩衝材(プチプチ)または厚紙補強
・ガムテープ、透明テープなど
書籍は、折れや水濡れから守るため、封筒に入れる前に緩衝材やビニールで丁寧に包むのが基本です。
これを怠ると、クレームや返品の原因になることもあります。
また、コストを抑えたい方は、クラフト紙をロールで購入して梱包材として使う方法もあります。
封筒よりも切る手間はかかりますが、1件あたりの梱包材費を抑えられるので、継続的に転売を行う場合にはおすすめです。
2. 発送方法は「クリックポスト」がおすすめ
・全国一律185円(2025年現在)
・追跡番号あり
・ポスト投函OK
クリックポストは厚さ3cm・重さ1kgまで対応しており、書籍1〜2冊程度ならほぼ問題なく送れます。宛名ラベルはPC・スマホで作成し、印刷して貼るだけ。郵便ポストから発送できるのも魅力です。
売上の管理と注意点
1. 売上はAmazonセラーセントラルで確認
売れた商品の一覧や、販売手数料・入金予定日などが確認できます。入金は2週間ごとが基本です。
2. 売上管理はエクセルか家計簿アプリでOK
副業レベルの書籍転売であれば、Excelや家計簿アプリで「仕入日/仕入額/販売額/利益」を記録しておくだけで十分です。
売上や利益を定期的に見える化しておくことで、自分の活動の成果を把握しやすくなります。
ただし、年間の利益が大きくなり、確定申告が必要なレベルになってきたら、会計ソフトの導入を検討しましょう。
無料で使えるものも多くありますが、将来的に青色申告を行う予定がある場合は、複式簿記に対応したソフトを選ぶのがおすすめです。
また、ある程度の売上が見込めるようになったら、青色申告による特別控除を受けるために、税務署に「開業届」を提出しておくと安心です。
開業届を出しておくことで、帳簿付けは必要になりますが、節税メリットが大きくなります。
3. 返品・クレーム対応にも注意
書籍に「書き込み」や「汚れ」などのダメージがある場合は、商品説明欄に必ず明記しましょう。
記載がないまま販売してしまうと、「説明と違う」として返品されるリスクがあり、その際の送料を自己負担しなければならないこともあります。
とはいえ、きちんと状態を説明していても、内容を読まずに購入してクレームを入れてくる購入者も時々います。
そういった場合は、感情的にならず、冷静にメッセージで誤解を解く対応が大切です。
また、Amazonでは一定数の悪質な購入者も存在しますが、評価やクレームが1〜2件あったからといって、すぐにアカウント停止になることは基本的にありません。
丁寧に対応を続けていけば、徐々に高評価が積み重なり、信頼できる出品者として育っていきます。
コラム:古書転売に「古物商許可証」は必要?
結論から言えば、
ブックオフなどの古物市場主から仕入れて、Amazonなどで販売する場合は、古物商許可証がなくても基本的には問題ありません。
というのも、古物営業法では「古物市場主からの仕入れ(=古物商が営業許可を持って販売している店舗での購入)」は、許可証なしでの転売が認められています。
たとえば……
- ✅ ブックオフ(市場主) → 個人 → Amazon(市場主)
という流れであれば、許可証なしでもOK。
ただし、以下のようなケースでは古物商許可証が必要になる可能性があります:
- ❌ フリマアプリや個人からの直接仕入れ
- ❌ 知人やネット掲示板からの買取
こうした場合は「無許可営業」と見なされるリスクがあるため、注意が必要です。
許可を取っておくのもアリ
実際、私自身は古物商許可証を取得しました。
理由はシンプルで、「いずれ本格的にビジネスとしてやるかも」「将来的に仕入れルートを広げるかも」と思っていたからです。
申請は、各都道府県の公安委員会(警察署)に申請書を出すだけで、2万円強の費用で済みます。
少し面倒ですが、信頼性の向上やビジネスの拡張性を考えると、取っておいて損はありません。
書籍転売は在庫を保管する場所を確保するのが一番大変かも
書籍転売は在庫の保管場所が最大の課題
書籍転売で生活できるくらいの収益を目指すとなると、3〜4千冊程度の在庫を抱えることになります。そのため、在庫を保管する場所を確保することが一番の課題になるかもしれません。
私自身は、部屋にカラーボックスを並べてその中に書籍を保管していました。
在庫管理を簡単にするために、カラーボックスに番号を付け、どこに何が入っているかをリスト化しました。この方法で、注文が入った際にすぐに商品を取り出すことができました。
もし部屋が狭い場合や在庫が増えてきた場合、小さな貸し倉庫を利用することを検討する必要が出てくるかもしれません。
私の場合は、住居とは別に六畳一間の木造アパートを借りて倉庫として使っていました。倉庫代はもちろん経費として計上できるので、税金の面でもメリットがあります。
最後に
書籍転売は、仕入れのために何軒ものブックオフを回る必要があり、決して楽な仕事ではありません。特に、在庫を増やし続けるためには、地道に探し続ける根気が求められます。しかし、やる気さえあれば、少しずつ確実に稼げるようになります。
コツコツと仕入れを続けることで、気づけば在庫が増え、販売数も増加。最終的には安定した収益を得ることができるでしょう。自分のペースで働き、好きな時間に作業できるため、社会不適合者タイプの人にもぴったりの副業です。
転売に興味がある方は、ぜひ一歩踏み出してみてください。やり方を覚えて実践すれば、思いのほか楽しく、安定した収益を得ることができるかもしれませんよ。